海外赴任で不動産所得の確定申告時の書き方疑問のまとめ|海外居住・駐在で賃貸に

海外赴任になった時、持ち家を売却または維持せずに、賃貸に出す場合、日本で不動産所得が発生することになります。
日本に住んでいなくても、所得が発生している場合、確定申告をしなければなりません(所得が20万円以下は不要。その他厳密にはルールあり)。
実際に私が海外在住の場合の書類の書き方などに不明点が多かったので、まとめました。

はじめに

もし海外赴任までに不動産所得の申告について全く知識がない場合一からいろいろと自分で作成するのはかなり大変です。

まず最初は税理士に依頼することをお勧めします。
ちなみに税理士への書類作成依頼手数料は経費として差し引く事が可能です。

下記税理士ドットコムSHARESなどいろいろありますので、まずは問い合わせてみることをおすすめします。

私は渡航する以前から確定申告の知識があったので、渡航後もそのまま自分で作成していますが、日本にいた時に最初に税理士に依頼しました。
二回目からは前回の税理士の作成した資料を基に自分で作成しましたが、減価償却費や建物の取得額の計算方法など、分からないことだらけで本当に大変でした。
しかし、一度データにまとめてしまえば次回以降は簡単ですので、自分でも十分申請可能です。

e-taxのホームページから、web上で作成します。
http://www.e-tax.nta.go.jp/
左下の「確定申告書等作成コーナー」をクリックして進みましょう。

まず第一に必ずしなければならないこと

出国前に納税管理人を定める

「所得税の納税管理人の届出書」を、出国するまでに納税者自身の納税地を管轄する所轄税務署に提出します。

下記国税庁のHPをご覧ください。
納税管理人の届出書のPDFデータがありますので、プリントアウトして記入後提出します。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/07.htm

納税管理人は誰にするべきか?
⇒日本在住の方であれば誰でも可

私は義父にしております。
いつでも連絡のとれる親族か、税理士(有料)に依頼するのが良いです。

出国前に納税管理人届出書を提出しなかった場合

●海外に出発する日までに給与以外の所得がある場合、その年の1月1日から出国する日までの間の所得について、出国の時までに確定申告(準確定申告)をする必要があります。
※海外に出発する日まで給与のみの場合は、勤務先で年末調整が行われるので確定申告は不要です。

●上記の確定申告をしても、その年の1月1日から出国する日までの間に生じた全ての所得及び出国した日の翌日からその年の12月31日までの間に生じた所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。

海外在住の場合の確定申告書類作成上の疑問

納税者本人の住所・氏名はどこの住所・氏名を記入する?

⇒出国直前までに納税者が住んでいた住所、納税者本人

既に海外在住のため、日本に住所はありません。
そして多くの方は自宅だった住居を賃貸に出しているので、借主がその住所に住んでいることになりますが、確定申告上は納税者が直前に住んでいた住所を記入します。

納税管理人を指定していますが、確定申告書の氏名欄は納税管理人の名前ではなく、納税者本人の氏名を記入します。

分かりやすいように、二段書きにして納税管理人の氏名を書いても良いようですが、必須ではありません。

確定申告の申請先はどこ?

⇒納税者が直前まで住んでいた住所の管轄の税務署

国税庁のHPに管轄の税務署が掲載されていますので、調べてみましょう。
国税庁HP⇒http://www.nta.go.jp/about/organization/access/chizu.htm

納税管理人は何をする?

納税管理人という名ではありますが、必ずしも納税管理人が確定申告を一式行わなければならないという意味合いではありません。
納税管理人を税理士に依頼し、確定申告も税理士に依頼すれば一通り行ってくれるでしょう。

納税管理人を税理士に依頼しない場合、不動産所得について一番よく知っている方が確定申告書類の作成をするのが一番です。

私は自分で書類作成していますので、納税管理人の義父はノータッチです。

義父には確定申告関係の書類が郵送されるくらいです。

海外からどうやって申請する?

海外からはe-taxでの申請は不可です。
そのため、下記の2択になります。

①日本に住んでいる知人や親戚にデータで送付しプリントアウトしてもらい、日本で税務署へ提出(郵送or持参)してもらう。
②海外でプリントアウトし、一時帰国の時に日本で提出。またはタイミングがあえば出張者に手渡して、出張者が帰国後に税務署へ提出してもらう。

ついでに医療費控除をしたい

⇒年の途中で出国した場合、出国する前日まで(1月1日から出国する前日まで)の医療費控除をすることができる

出国した後の医療費控除はできません。
つまり、赴任後2年目以降は医療費控除ができません。

平成○○年1月1日の住所はどこを書く?

⇒実際の海外の住所を書く

申告書Bの第一表の左上のあたりです。
住所記入欄の下に1月1日の住所を記入する欄があります。
私は「中国上海市」と書いています。
番地などまで記入していませんが、特に問題ないようです。

源泉徴収票は添付するのか?

⇒初年度は添付、二年目以降は不要

多くの方は年の途中で海外赴任になると思われますので、最初の年は会社で年末調整をし、源泉徴収票が発行されます。
そのため、赴任後の最初の確定申告の時は源泉徴収票の情報と併せて確定申告をします。

二年目以降は、海外居住のため会社から源泉徴収票は発行されないと思いますので、源泉徴収票の情報入力はせず、不動産所得についてのみ(その他日本での収入があればそれも併せて)記入します。

本人確認書類は何を添付する?

⇒マイナンバーカードまたは通知カード+運転免許証など

納税者本人の確認書類を添付します。
納税管理人の確認書類ではありません

借主が企業の場合、家賃収入の申告はどのように記入するか?

⇒家賃収入の金額は本来もらうべき家賃の額を記入

納税者が海外に住んでおり、かつ借主が個人ではなく企業の場合、家賃の20.24%を源泉徴収された額が貸主に支払われます(きちんとした会社でしたらそうした対応がとられているはずです)。
例えば、社宅として企業が借りている場合です。

つまり、10万円の家賃のところ、実際に手元に入ってくる額は79,760円。
これは。。。確定申告しないとかなり損してしまいますので、ぜひとも申告してください。

そして確定申告に記入する家賃の欄は、源泉徴収された後の額ではなく、源泉徴収される前の本来の家賃の金額を記入します。

源泉徴収済みの金額はどこに記入するか?

⇒「雑所得」の項目に記入

上記の通り、借主が企業の場合で既に源泉徴収されているので、源泉徴収されている金額を記入する必要があります。
これを記入しないと、無駄に税金を支払うことになってしまうのでご注意ください。

 

・種目・・・不動産などと記入
・名称・・・源泉徴収を行っている会社名を記入
・収入金額・・・「0」と記入
・源泉徴収税額・・・実際に源泉徴収された金額を記入

入力が完了したら、「入力終了(次へ)」を押し、次の項目へ移ってください。

その他申告書以外の疑問

確定申告後の還付のお知らせはどこに届く?

⇒住所を以前住んでいた住所に記入しても、納税管理人の住所へ郵送される

まとめ

海外在住の場合、いろいろと記入方法が異なり迷うポイントだと思います。
今後申請の件で不明な点がでてきたら、随時アップしていきます。

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